©Chaine Thermales de soleil cambo les bains
画像はこのグループが開発したカオランと温泉をミックスした無重力の心地よさを体験できるプール
フランスをはじめとするヨーロッパの温泉は、私たちが慣れ親しんでいる日本の温泉の入り方とは随分違います。
じっくり温泉に浸かり泉質を楽しむような習慣はないようです。他の国は分かりませんが、フランスで温泉に浸かってみえることがあれば、それは、圧中(ジェット)付のプールでゆったりリラックスしているのだとおもいます。そのプールでリハビリや適度な運動をすることもあります。基本は温泉療法で12の病症に健康保険が適用されている為、病気の方が行く。またはアスリートが筋肉の疲れを休める為に利用しているといったところでしょうか?
ただ、私が取材を始めた2005年頃から徐々に治療の場であるテルメ(温泉療法施設)を、予防医学の観点からも病気でない方へ温泉スパとして利用できるようになっています。
©Chaine Thermales de soleil cambo les bains
スペイン国境に近いバスク地方には、多くの温泉地があります。今回はその一つをご紹介します。何度もフランスを訪れていたつもりでしたが、こんな光景が広がっているのは本当に初めて目にしました!フランスではないみたいな?広大な敷地に広がる高いヤシの木!自然と一体化した建物。慣れ親しんだロワール川沿いやモンサンミシェル、コートダジュールやモンペリエ、グランドモットとも全く違う風景です!
風景もさることながら、ダイエット・フレンチ生みの親であるミシュラン3ツ星シェフ、ミシェル・ゲラール氏直伝のお食事も楽しみです!
Cambo-les-Bains Secrétaire Général パスカル ボワルー氏 (2015年現在)
*ボワルー氏は、この10年前に1週間の禁煙タラソテラピーを体験した時の施設でもお世話になり、偶然の再会となりました!
メールの名前と日本人ということで覚えていてくださって感激です。本当にいろいろとお世話になりました。
小高い丘に広がる大自然のなかに、白壁に赤い屋根の家が点々と広がり、スペイン国境に近いバスク地方に来たことを実感します。車で30分も行けば、フランスで人気のリゾート地ビアリッツ市の格調高い街並みと紺碧の海が広がります。そんなビアリッツの喧騒を逃れて、小高い丘やのびやかな大自然に身を置くだけでも気持ちがリラックス。
テルメの広大な敷地の端に流れる穏やかな川は、まるで川を挟んで、今いる世界とさっきまでいた世界を分断しているような不思議な錯覚を起こさせます。天まで届きそうな背の高いヤシの木の向こうには、小高く丸みを帯びた山々が可愛らしく、一層気持ちを穏やかにしてくれます。ヤシの木立から除くアール・デコ調の美しいテルメ、その前に漂う空色プールの水、樹木に囲まれ、インディゴ・ブルーのタイルが際立つレストラン、パヴィヨン・ブルー。ここにあるすべてが、穏やかで気持ちをリラックスさせてくれるのです。
©Chaine Thermales de soleil cambo les bains
こちらの温泉テルメでは、リウマチと呼吸器系の温泉療法が受けられます。
温泉療法は、医師の指導の基、34-37°Cの温泉を利用した全身マッサージ機能の付いたジェットバスや高圧シャワーによる全身、または、部位を限定したマッサージ、アフュージョン・マッサージ、温泉プールでの運動、グループが開発したカオランと温泉をミックスした無重力の心地よさを体験できるプール、温泉泥パックなどを毎日午前中に3,4種類組み合わせて行います。
温泉療法で思いっきりリラックスしたら、健康的なミシェル・ゲラール直伝の食事に舌鼓。少し休んだら、ヤシの木陰を自分のペースで歩いたり、ジョギングしたり。滞在中に会いに来た家族や友人と町を散策したり。敷地内にはエステやスパもあり、病気でなくても、時間を分けて、温泉スパとして同じケアを受けたり、患者さんを見舞いに遊びに来た友人や家族も、スパとして施術を受けることができます。。
保険適用外では、禁煙セラピー、アルツハイマー患者とその家族の受け入れ、乳がん術後ケア、スポーツ選手向けのケア、目的別のミニ温泉療法を受けることもできます。
アルツハイマーの患者さん家族の受け入れを試験的に2泊3日で行い、高い評価を受けたとのこと。こちらのお話はまた次に!温泉大国日本でも同じ取り組みができるといいのですが...